伝統的な和室も時代と共に変化

伝統的な和室も時代と共に変化

和室は、床の間や書院、鴨居や長押などが施され、畳敷きに障子や襖で仕切られた日本の伝統的な住まいの部屋です。
生活様式の変化で、フローリングの床にテーブル、椅子、ソファといった暮らし方が一般的になりましたが、それでも和室は欲しいといった声は聞かれます。

和室に使われる畳は、本来ワラなどでできた芯材の表面をイグサの畳表で包んだものです。畳は、傷んできたら芯をそのままに、表替えや裏返しをすることによって再生できるので、エコの今の時代に合っているといえるでしょう。
イグサやワラが貴重で手に入りにくく高価になっていることから、発泡スチロールの畳芯と中国製のイグサを用いた畳表の畳が汎用されています。

畳のサイズは、関西では京間と呼ばれる1910mm×955mm、関東では江戸間1760mm×880mm、さらに集合住宅で多く使われるようになった団地サイズ(団地間)と呼ばれる1700mm×850mmなど、同じ8畳といっても広さが異なっていて、設計の歴史や住まい事情に沿って変化してきました。

※カラフルライフ2019年10月・暮らし「畳の張替え時期について」も併せてご覧ください。
https://blog.famityhome.co.jp/archives/life/749/

多目的に使いやすい和室

和室の魅力は、柔軟な使い方ができることでしょう。
昼間は居間、夜には寝室としても使えて来客時にも便利です。
洋室の場合は椅子の人数しか座れませんが、和室に座卓をおけば、フレキシブルに座れます。
畳に座る暮らしは、目の高さが低くなり、その分天井が高く感じられるなど、開放感を演出することもかないます。

畳は弾力性があってお子さんが転んでもケガがしにくいなど遊び場としても安心。畳の上に直接寝転がることや、座って洗濯物をたたんだりする際にも肌触りが良く心地いいですね。

さらに畳には調湿効果、吸音効果などがあります。新しい畳の香りに、癒されると感じたことがあるように、イグサの香りや緑青色がリラックスさせる効果があるといわれています。

住まいに豊かな表情を添える和室

和室の表情も現代的な暮らしやインテリアにあわせて多彩になっています。
リビングの一角に小上がりにした和室を設けたり、フローリングの一部を畳敷きにして畳コーナーを設けたりされる場合があります。家事をしながらお子さんを遊ばせておいたり、お昼寝をさせたり、友人を呼んで鍋パーティをしたりと畳敷きだから利用の幅が広がりますね。
床の間ほど格式張らずに、和室に板ダタミの部分を設けたり、飾り棚を配したりして、季節のしつらえを楽しまれるのはいかがでしょう。
湿気に強い化学繊維で作られた色付きの畳や畳縁を無くした琉球畳を使った和室、さらに壁面にアクセントクロスで変化をつけるなど、和モダンなインテリアも人気です。
洋風の暮らし向きが中心の現代だからこそ、和室は住まいに豊かな表情を添えています。