畳の張替え時期について

知っておこう、畳のこと

畳は畳表、畳床、畳縁(たたみべり)で構成されています。
イグサで織った畳表を、畳の芯となる畳床に張り合わせ、畳縁で回りを縫って一枚の畳に仕上げます。
畳表は、「ござ」のことと言えばおわかりでしょう。国産や中国産のイグサ、さらにイグサの代わりに和紙やパルプ、化学繊維を使ったものまで豊富にあります。
畳床は、ワラを圧縮したものでしたが、最近は合成樹脂や木材繊維を挟んだワラサンド床、ワラを全く使わない建材畳床などが多いです。
畳縁は、畳の縁が擦り減るのを防いだり、角の隙間をしめたりする役目があります。柄のあるものから無地のものまで、生地も綿や麻といったものから、化学繊維のものまで多彩です。
畳はイグサの香りが心地よいことはもちろん、保温性・断熱性、クッション性、給放湿性、遮音・吸音性などもあって、日本の気候風土に調和しています。
しかし、生活の中で汚れやささくれ、カビの発生など劣化が進みます。そのままにしておくと、ささくれでケガをしたり、ダニの繁殖を促したり、畳床まで傷めたりということにもなりかねません。

畳も着替えて、一新。気分もアップ

畳の寿命は、15年ぐらいと言われています。でも新調するまでに、裏返し、表替えを経て、畳の取り替えへと進めることができます。
裏返しは、畳の芯の部分はそのままに、畳表の部分を裏返しにして、あわせて畳縁も新しくします。新しい畳を使い始めてから2年から4年くらいが目安でしょう。
表替えは同じく畳床は変えずに、畳表と畳縁を新しくします。新しいイグサ・畳表で、見た目は新品のようです。時期の目安としては、5年から10年と言われています。
畳表がさらに傷んできて畳の上を歩いた時に、フワフワとした感じがしたり、畳の縁に隙間ができてきたりしたら、畳床が悲鳴を上げている証拠です。畳を新調する時期が来ているでしょう。目安としては10年から15年くらいです。

畳の大敵は湿気と心得て

せっかく新調した畳は、長く使いたいですよね。
昭和の中頃までは、夏に町内一斉大掃除があって、畳を天日干ししたりしたものです。しかし、そんな光景は見なくなりました。
畳の大敵は湿気なので、調湿機能を十分に発揮させるためにも、畳床は乾燥させておきたいです。そのためには、まず乾燥した日に、風通しを良くする必要があります。
畳表の艶も損なわれるので、畳は水拭きではなく乾拭きを心がけましょう。普段のお掃除は掃除機を畳の目に沿ってかけて、あとは乾拭きで十分です。
さらに、畳の上に絨毯やカーペットを敷くことも避けたいですね。重い家具やピアノ、食卓の足などは、湿気の原因となるだけでなく、畳床を傷めることになります。
ちょっとした心がけで、畳のある暮らしが長く快適に過ごせるでしょう。