「コンロ」はガスとIH、どっちがいいの?
新築やキッチンのリフォームの際に、コンロをガスとIHクッキングヒーターのどちらにしようか迷われるかもしれません。
IHクッキングヒーターは、磁力による電流でお鍋などの調理器具を直接温める電磁調理器です。
ガスコンロには、都市ガスやプロパンガスなどがあります。
使い慣れたガスコンロを選ぶか、すっきりとしたデザインのIHを選ぶか、理由も様々。どちらがいいのか、選ぶ際のポイントを考えてみましょう。
ガスコンロとIHクッキングヒーターのメリットとデメリットをあげてみました。
IHクッキングヒーターのメリット
・天板がフラットで掃除がしやすい
・夏の調理中も暑くなりにくく快適
・炎がないので安心
・火を使わないので室内の空気を汚さない
デメリット
・お鍋やフライパンはIH対応のものか確認が必要
・中華鍋など鍋を煽って使えない
・停電時は使えない
・使用後の天板は熱くなるので注意
ガスコンロのメリット
・鍋の種類、形を選ばない
・停電時も使用可能
・海苔やスルメなど、炎であぶることができる
デメリット
・ゴトクがあるので、天板はフラットではない
・調理中はコンロの周囲の空気も温めるので夏は特に暑い
・炎で袖口などを誤って焦がしたりやけどをしたりする心配がある
・換気が必要
機能性・快適性では互角に
ガスコンロ、IHクッキングヒーターそれぞれにメリット・デメリットを上げてみましたが、最新の機種はそれぞれのいい点を搭載し、機能性・快適性がアップされているので、そんなに大きな違いがないようになってきていると感じています。
たとえば、最近のガスコンロは受け皿がなくなりすっきり。天板の種類もガラストップなど多彩になり、お掃除のしやすさは昔より格段に簡単になっています。自動消火機能などのある温度センサーコンロ(※)の搭載によって、安全性もアップ。火力の温度調節や調理時間の設定なども、簡単に。ボタン一つで湯沸かしや炊飯までできる機能が装備されている機種もあります。
一方、アルミや銅製など、使えない素材の鍋があったIHクッキングヒーターですが、オールメタル対応も登場(鍋の形状や素材で火力が弱くなったりするものがあります)。
鍋をコンロから離して振れるタイプ、天板が熱いうちは光を点灯させるなどして注意を促す機種もあります。
※2008年10月以降ガスコンロには、温度センサーを標準装備。これは、油温をチェックして火力調整し、危険温度に達する前に自動消火する「調理油過熱防止装置」、風や煮こぼれで万一火が消えてもガスを自動で止めてガス漏れを防ぐ「立ち消え安全装置」、火を消し忘れても一定時間で自動消火する「消し忘れ消火機能」など。
魅力を感じるポイントで選ぶのもひとつ
このように、ガスコンロもIHクッキングヒーターも機能的には、大きな差がなくなっています。
それぞれの本体価格は、ガスコンロは低価格から幅広くありますが、同様の機能で比較して考えるのなら、ガスもIHクッキングヒーターもそれぞれ豊富な種類から、予算にあわせて選ぶことができます。
では、どのように選択すればいいのでしょうか?
まず、設置ができるかどうかのポイントがあります。
設置に関しては、IHクッキングヒーターは200Vの専用の電源が必要になるので、リフォーム等で前はガスをお使いだった場合には、設置可能かということと、状況でその工事も必要になってきます。リフォームや新築の場合は、あらかじめガスかIHか決めておくほうが、スムーズでしょう。
次にどんな料理が好きか、調理や家族の指向などから考えてみましょう。
ガス派の方から「中華鍋を振ってしないと料理した気にならない」という声を聞いたことがあります。そんな炒め物好きには、ガスコンロの方が使い勝手がよさそうですね。
煮込み料理が多いというご家庭は、鍋底を均等に温めて、横から見て火加減を確認しなくてもよいIHクッキングヒーターが便利と思われるかもしれません。
使い慣れたコンロは、機種が変わっても躊躇なく新しい機能も使いこなせるかもしれませんね。ガスコンロから、IHクッキングヒーターに変えると、使えないお鍋ができてしまったり、新しくIH対応のお鍋を購入しないといけなくなったりするかもしれません。
また、安全性に配慮されたガスコンロですが、心情的にやはり火を使うのは心配と思われる場合もあるでしょう。
このように、設置が可能か、普段の料理のタイプや、新しいものに抵抗がないか、欲しい機能が付いているかなどをポイントに、重要視するウエイトの高い方はどちらなのかで検討されてみてはいかがでしょうか。