スキップフロアの家(メリット・デメリット)

遊び心の感じられる個性的な空間構成が魅力のスキップフロア

家の間取りで、スキップフロアという言葉を聞かれたことはあるでしょうか?
スキップフロアは、床の一部の高さを変えた部分をさして、小上がりとかロフト、ステップフロア、中2階、半地下、ビルトインガレージと言われるものも含まれます。
リビング・ダイニングの一角を小上がりにすれば、スタディスペースとして、リビングと一線を画すことができたり、大勢の人が集まった時には小上がりに腰をかけたりできます。1階のリビング・ダイニングから2階のフロアへ上がる階段の途中に、広めの踊り場を設けて書斎コーナーやファミリーコーナーを設けられる場合もあります。
このようにスキップフロアは、縦の空間を広げて、緩やかなつながりを持たせる特徴があります。離れたところにいる家族の様子が伝わり、会話がスムーズにできるなど、ぬくもりが感じられます。
さらに、廊下やドアで仕切る横の空間とは違って、ステップや階段で仕切りを意識させて、独立性を感じさせることもできます。
変化に富んだ空間を生み出し、個性的な住まいとなるスキップフロアですが、取り入れるには、十分にメリットとデメリットを確認したうえで、活かす必要がありそうです。
では、メリットとデメリットを考えてみましょう。

条件の厳しい土地でも、のびやかに暮らしませんか?

スキップフロアのメリットは、何といっても縦につながる空間といえるでしょう。そのため視線が変化して、視界が広がり遊び心も感じられます。天井の低いスペースを設けることで、空間を有効に活用して床面積を広げることも可能になります。
デッドスペースを利用して収納スペースを作ったり、廊下を作らずにその分有効に活用して、スタディスペースを設けたりもできますね。
床面積の確保が難しい、傾斜地や狭小の土地の可能性を広げてくれそうです。

将来のライフスタイルの変化にも不便を感じませんか?

住んでから後悔しないために、スキップフロアのデメリットも十分に理解してから決めましょう。
デメリットとしてまず、段差があるのでバリアフリーにはなりません。建築した若い頃は苦にならなくても、10年後20年後には少しの段差も、からだの負担になるかもしれません。何年後まで住むのか、スキップフロアにする空間の利用頻度なども考えて検討するようにしましょう。
また、小上がりの和室だけというなら問題ないでしょうが、リビングとダイニングを大胆なスキップフロアにするといった構成によっては、当然壁を作らず縦に開放感ある広い空間ができるので、光熱費もかさみます。
さらに、小さなコーナーのつもりのスキップフロアが、1階とみなされて固定資産税が上がってしまうなんてことにならないように、十分な確認が必要です。
こうした点からも、スキップフロアの家を建てる際には、経験豊富な会社に依頼し、模型などで立体的な空間の仕上がりを理解してから、採用するようにしましょう。