過ごし方はそれぞれ。家族の顔が見えるリビング
リビングルームは、家の中で一番広いスペースをとる場所。それだけに、家づくりの際には、リビングをどこに、どれぐらい、どのように作るかが重要になってきます。そこで、ご家族それぞれが、リビングでどう過ごすのかを考えてみましょう。
子育てに忙しいファミリーは、リビングでお子様と一緒にいる時間が長くなります。眠っている間や、遊んでいるかたわらで、急いで家事を済ませる事もあるでしょう。
幼稚園や小学校から帰宅した時の様子をうかがったり、お話を聞いたり、宿題を見たりするのもリビング。子どもたちが眠った後、音楽を聴いたり、映像を見たり、趣味を楽しんだり。さらに、ご夫婦でリラックスできるのもリビングでしょう。
家の中で家族が一番長く過ごす場所がだから、リラックスできる余裕の広さが欲しい。何よりも、自然と家族が集まってきて、会話が生まれるリビングにするには、家族の顔が見える空間づくりが必要ではないでしょうか。
空間を区切らない工夫で会話の弾むリビング
限られた敷地スペースを有効に活用して、ゆったりとできる広いリビング空間を確保する工夫のひとつに、リビングの中に2階への階段を設ける「リビング階段」と呼ばれるプランがあります。この利点は、子どもが帰宅して2階の自分の部屋へ行く時や、遊びに出かけてしまう時もリビングを通るので、家事をしながらでも目が届きやすい点です。らせん階段や蹴込み板を無くしたスケルトンの階段にすれば、視線を遮らずに階段を通してでも顔が見え、デザイン性にも富んでリビングにインパクトが添えられます。
次に対面型キッチンは、リビングに面して料理ができるので家族との会話もスムーズ。最近は、キッチンに腰壁や垂れ壁収納のないアイランドキッチンのようなオープン対面型タイプ(ペニンシュラキッチン)がよりリビングと一体感が持てると人気です。しかしデメリットは、収納が少なくなる点や、キッチンがリビング側から丸見えになる点でしょう。
リビングの一角に、趣味のワークスペースや家事コーナー、子どもの遊び場やスタディスペースを設ければ、家族が今何をしているかが一目瞭然。家族と程よい距離を保ちながら見守れます。ひとりひとりが思い思いの事をして過ごせて、話しかける場合もスムーズ。お子さんも家族のおしゃべりや様子を肌で感じながら、安心して勉強に集中できそう。壁で仕切らないので、リビングとしても広く確保できます。
さらにリビングと、デッキや庭空間を連続させる事で、開放感が演出できます。リビングに居て、好きな庭木の彩りや空の雲の流れを楽しめ、自然の風や光を感じられてリラックスして過ごせるでしょう。
より広く感じられるリビングづくりで、ランクアップ
家族が集まって来るくつろげるリビングには、明るさも重要な要素。しかし、道路に面した敷地で大きな掃き出し窓は通行する人の視線が気になって確保できない等、厳しい条件はつきもの。そんな時には、窓をハイサイドウインドウにすれば、陽光と通風が確保できます。窓の位置や高さにこだわって、明るい空間を実現したいものです。
フローリングや壁などの色を明るくして、色調を抑えれば、統一感のあるすっきりとした空間に仕上げられます。その上で、クッションやラグなどをさし色にしたり、季節感のある表情に変化させたりして、楽しむことも可能です。
また、リビング・ダイニングのそれぞれのテーブルを、大きめのテーブル一つにする事で、それぞれのスペースや家具が整理できて、すっきりとした空間に見えると思います。宿題をする様子を離れて見守りながら、ママは読書をしたり、趣味の作品を広げたりもできます。お子さんもママの息づかいが感じられて安心するでしょう。食卓やワークデスク、食後のコーヒーを楽しむサイドテーブルとしてなど、広いテーブルはみんなが一緒に多目的に使えて、家族の会話や温もりに無理せずに触れられます。
家族が思い思いのスタイルで過ごせて居心地のいいリビングには、家族が集まってきて、わが家の楽しい思い出がいっぱい刻まれていく事でしょう。