アフターコロナ時代の家づくり

コロナ禍の時代に変化した生活様式

かつて私たちが経験したことのない新型コロナウィルス感染症によって、マスクの着用やテレワークなど、日常生活や働き方に大きな変化が生まれました。
感染拡大から守るために日常生活のなかで、「新しい生活様式」の実践が必要とされています。
基本的な生活様式としては、まめに手洗い・手指消毒、こまめに換気、ソーシャルディスタンスと言われている身体的距離の確保、3密(密集・密接・密閉)の回避など。日常生活の場面での具体例としては、買い物は少人数ですいている時間に素早くすませるように、混んでいる時間帯の公共交通機関の利用は控えるようにするといった内容や、働き方では、テレワークやローテーション勤務、時差通勤、オンライン会議など、様々なカタチで提案されています。

アフターコロナの間取りの工夫

家づくりにも「新しい生活様式」が実践できるように、様々な変化が必要なのかもしれません。アフターコロナ時代の家づくりの工夫を考えてみましょう。

新型コロナウィルスやインフルエンザウィルスなどを家の中に持ち込まないために、外から帰宅したらすぐに手が洗えたり、上着やカバンが置けたりするとうれしいですね。
例えば、シューズクロゼット内にハンガーパイプや小物おきの棚を設置したり、玄関ホールに手洗いカウンターを設けたり、洗面所を玄関から近いところに配置したりするプランを検討してみましょう。
テレワークやお子さんの自宅学習などに備えて、あらかじめワークスペースやスタディスペースとしてフレキシブルに使えるファミリースペースを確保したり、リビングをそれらのスペースがとれるように広く設けたり、寝室に机として使えるカウンターを設置するといったことも考えられます。
リモート会議やオンライン授業対応など、生活音を防ぎたい場合や集中できる個室が必要な場合を想定して、家族それぞれの個室が確保できれば申し分ないですが、それができない場合には、吊り戸でリビングと仕切るDENスペースにする方法もあります。
さらに、買い物に出かける機会を減らす意味から、日用品や食料品の備蓄に対応できる、パントリーや大きめの玄関収納などがあると便利です。

対面を避けて、ネットショッピングの利用も増えているそうです。直接配達員さんから受け取らずに玄関前に宅配物を置いてもらう「置き配」の対応も可能になってきました。留守時に玄関前に荷物があるのも防犯面から不安でしょうから、一戸建て用の宅配ボックスがあれば安心ですね。

具体的に検討したい通信回線やコンセント

家電製品は続々とインターネットに接続して、家の外からもON・OFFができるようになってきているなど、家庭でのIoT(Internet of Thing)が進展しています。
そうした中、ますますアフターコロナの家づくりで、間取りの面とともに配慮しなくてはいけないのが、インターネットなどに接続する通信回線とコンセントです。
テレワークやオンライン授業、気分転換のゲームやショッピングでも、快適な通信回線への接続が、効率を左右するでしょう。不安定なWI-FI環境のせいで、オンライン授業の画面が固まってしまったということも聞きました。

コンセントは、通信回線とそれらの機器が利用しやすい場所や位置に、必要な数を設けることが課題になってきますね。

新築やリフォームなどを検討される際には、「新しい生活様式」の導入で、不便になったこと・不自由になった点などをピックアップしてみると、家づくりに取り入れたいものが見えてくるかもしれません。これからのwithコロナの時代を少しでも快適に、潤いを持って生活するために求められているものは何かを考えてみましょう。