知っておこう!断熱材の選び方と種類

家で冬暖かく、夏涼しく暮らすために。断熱材の種類

暖かくした家の温度が逃げないように、外気の温度が伝わらないように、快適な室内環境が保てるように、羽毛布団のダウンやクーラーボックスの発泡スチロールのような家の保温材の役目をするのが、断熱材といえるでしょう。
家を建てる時に使われている断熱材の種類は、大きく分けて「繊維系断熱材」「発泡プラスチック系断熱材」「天然素材系断熱材」の3つです。

・繊維系断熱材
原料を細い繊維状にしてその間に空気を閉じ込めて機能させた断熱材です。
種類はグラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、インシュレーションボードなどがあります。

・発泡プラスチック系断熱材
プラスチック素材の中に空気を含んだ細かい気泡を閉じ込めた断熱材です。
押し出し発泡ポリスチレン、ビーズ法ポリスチレン、ウレタンフォーム、高発泡ポリスチレン、フェノールフォームなどがあります。

・天然素材系断熱材
羊毛などの自然素材を材料にした断熱材で、ウールと炭化コルクなどがあります。

それぞれに特徴のある断熱材

主に住宅建築に使われている断熱材の特徴をご紹介しましょう。

・グラスウール
ガラス繊維を絡めて、空気を閉じ込めた断熱材で、軽量でかつ断熱性に優れ防音効果があります。害虫や火災にも強いです。住宅の屋根・天井・壁・床などに使われます。繊維系断熱材のなかでは、安価のため非常にポピュラーな断熱材ですが、湿気に弱いという弱点があります。

・ロックウール
玄武岩や安山岩を原料とした人工の鉱物繊維です。そのため、熱に強くて、燃えにくく、収音性能がありますが、湿気に弱いです。

・セルロースファイバー
古紙を再利用した断熱材で、調湿性に優れ、防音性・防火性・防虫効果などにも期待できるものです。

・インシュレーションボード
主に木材などを繊維状にしたものを板状に形成しています。加工や施工が容易で、断熱性や防音性、吸放湿性に優れています。

・押し出し発泡ポリスチレン
ポリスチレンと発泡剤を押し出し機で押し出して製造します。水や湿気に強く、熱には弱いという特徴があります。

・ビーズ法ポリスチレン
保冷容器にも使われている発泡スチロールといえば、皆様ご存知でしょう。小さな白い粒粒に空気が含まれていて、断熱性を発揮します。水に強く、軽くて耐久性があり、施工が容易で比較的安価なのも魅力でしょう。しかし、熱に弱いのが難点です。

・ウレタンフォーム
透湿性や耐久性に優れ、高い断熱性能と省エネ効果が期待できます。ソファーのクッションや食器洗い用のスポンジなどに使われているウレタンを発泡させた断熱材です。

・高発泡ポリスチレン
柔軟性や断熱性、防水性があり、燃えた時の有害性も少ない断熱材です。

・フェノールフォーム
熱に強くて燃えにくく、熱で縮むこともなく、水を吸うこともないボード状の断熱材です。

・ウールや炭化コルク
ウールは羊毛衣服をリサイクルしたもの。湿度を一定に保つので、結露対策にも効果的な断熱材です。炭化コルクは、コルクガシの木の表皮からできていて、断熱性、吸湿性、吸音性に優れ、軽量で、防虫効果もあります。天然素材系の断熱材は、価格が高くなります。

断熱材選びは施工の技術や精度、方法からも検討

断熱材は素材の性能からだけでなく、万一の火事にみまわれたら有毒ガスは発生しないか引火しないか、梅雨や長雨などがある日本の湿気に強いか、さらに技術によってまた方法により施工むらは起きないか、耐久性はなど、大切な家や家族を守るということから断熱材を考えると見えてくるものがあります。
先に紹介した耐火性や調湿性といった断熱材の特徴だけでなく、断熱材の効果を活かす使い方をしているか、施工の技術によっても家の寿命に差がでます。

例えば、湿気に弱いグラスウールは、気密シートで覆う事や、袋状のものを施工することによって、弱点がカバーできます。
また、ボード状の断熱材はカットの精度によって、断熱性や気密性が左右されます。吹き込みタイプであれば、隙間を作らずに施工できます。
さらに、外張り断熱には、熱に強い断熱材を、室内側は調湿機能や防音性の高い素材にするなど適材適所の断熱材を選ぶことも必要になってきます。
リフォームや家を建てる際には、断熱材の種類や特徴を理解し、施工方法や技術面を確認して、断熱材を選ぶようにしましょう。

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