長期優良住宅って何?
一戸建て住宅を建てる時、買う時に聞いたり目にしたりする「長期優良住宅」という言葉。「長期優良住宅」とは、いったい何でしょうか。
長持ちする木造住宅を造って、できるだけ長く使うことで廃棄物を減らしたり、断熱性能を上げることでCO2を削減させたりするなど、資源やエネルギー消費の削減につなげようと打ち出された方針が2009年6月にスタートした「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」です。その基準によって、認定を受けた住宅が「認定長期優良住宅」です。
2018年2月には新たに増改築にかかわる基準も設けられ、中古住宅においても認定を受けることが可能になりました。
木造一戸建て住宅の認定基準は、劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、高齢者対策、省エネ対策、居住環境、住戸面積、維持保全計画の9項目で、評価機関で審査をして、適合証をもらい、都道府県市町村などに所轄窓口で認定申請を行うと「長期優良住宅」として認定を受けられます。
「長期優良住宅」の認定を受けるメリットは?
では、「長期優良住宅」に認定されると、どんな利点があるのでしょうか。見てみましょう。
1、 所得税の住宅ローン減税が、一般住宅より10年間の最大控除額が100万円上乗せ
所得税の住宅ローン控除対象限度額が一般住宅4000万円のところが5000万円になります。これは10年間借入残高が5000万円以上であれば、10年間の最大控除額が500万円になるという事です。
2、 登録免許税の軽減
所有権保存登記と移転登記の際に一般住宅よりも登録免許税が軽減されます。
3、 不動産取得税の控除額の拡大
一般住宅であれば不動産取得税の控除額は1200万円ですが、「長期優良住宅」であれば1300万円の控除となります。
4、固定資産税の軽減措置
固定資産税は一般の住宅でも3年間は1/2に軽減されますが、「長期優良住宅」は軽減期間が5年間になります。
この他、住宅金融支援機構が扱う「フラット35」では、適用金利を引き下げた「フラット35S」が利用できるほか、返済期間を最長50年とする「フラット50」も対象となります。
「長期優良住宅」の認定を受けるデメリットはあるの?
税制面で多くのメリットがある「認定長期優良住宅」。魅力的なことばかりなのでしょうか。
施主の手を煩わされることはないのでしょうか。
1、 長期間にわたって定期点検・補修
少なくとも10年毎に、見た目だけでなく配管や構造部材を含めて点検を実施し、記録を保存しなければなりません。それらが実施されない場合には、認定が取り消される場合もあります。
2、 申請にコストや時間を要する
「長期優良住宅」の認定基準をクリアする家を建てるのは、基準を満たす仕様の家として企画されている場合もあるので、昨今ハードルは高くありません。デメリットとして思うところは、「長期優良住宅」の申請に費用負担がかかるのと、先に説明したように審査を受け認定されるまでに時間がかかる点でしょう。
認定が必要かしっかりと考えて
「長期優良住宅」に認定される場合のメリット・デメリットをみてきました。
「長期優良住宅」の基準を満たした家であるという事は、快適な家であるという事。それ以上に、わが家の場合のメリット・デメリットを考えて、認定を受けた方が良いのかをしっかりと判断されるとよいでしょう。