集中豪雨の対策

大量の雨が降り続く集中豪雨に警戒

近年、「50年に一度の大雨」「線状降水帯の発生」といった言葉を、耳にする機会が多くなってきました。
日本では、季節の変わり目や梅雨の終わり頃、台風のシーズンなどに、前線が停滞して大雨を降らせることがあります。
集中豪雨とは、狭い範囲に降る大量の雨のことです。
さらに、同じ場所で次々と積乱雲が発生したり停滞したりして、激しい雨が何時間も降り続くような前線が線状降水帯と呼ばれます。
山河に恵まれた風光明媚な日本では、一方で大雨が発生すると自然災害にみまわれる場合があります。集中豪雨から、いかに身の安全を確保するかが、普段からの重要な課題になってくるでしょう。

万一に備えて普段の防災意識を

集中豪雨により、河川の氾濫や土砂崩れ、建物への浸水や道路の冠水といった被害に迫られるかもしれません。普段から備えておいて、いち早く身を守るための対応が叫ばれています。
では、備えはどうしたらよいのでしょうか?
最近は雨雲のレーダー予測なども刻刻と伝えられ、気象庁の情報や、マスメディアの天気予報でも注意や警戒を促しています。そういった情報を確認し、事前に準備をして、早め早めの対応が大切です。
側溝や排水口の掃除をして、水はけを良くしておきます。飛来物が窓ガラスを割ってしまうかもしれないので、風に飛ばされそうなものは、家の中に避難させるか、固定しておきます。窓や雨戸はしっかり閉めましょう。

家の中の準備は、非常用品や非常袋を確認して、不足品があれば補充しておきます。断水に備えて、飲料水を用意し、生活用水の確保のために浴槽に水を張っておいたり、入浴した前日の水を残しておいたりしましょう。
また、万一の飛来物で窓ガラスが割れた際にも、カーテンを閉めておけば、部屋へ飛び広がるのが抑えられます。

さらに、地域のハザードマップや防災マップの確認、あわせて避難場所も確認するなどして、日頃から防災意識を持っておくことで、いざというときに迅速な行動がとれるのではないでしょうか。

避難の際は「身の安全の確保」を最優先に

避難の際は、持ち物は最小限にして、両手が使えるようにあけておきます。長靴は足がとられる危険があるので、スニーカーやトレッキングシューズなどの紐靴が望ましいようです。
よく言われていますが、決して河川や田畑の状況を見に行かないこと。地面より低くなっているアンダーパスと呼ばれる道路、地下街・地下室に侵入しないこと。夜間や道路の冠水が起こっていて避難がかえって危険な状況には、自宅の2階などの高くて、斜面などから遠いところに移動すること。さらに、雨が小康状態だからといって安心せず、突風による飛来物に当たったり、河川の水量が急に増加したり、水分を含んだ斜面から土砂が流れてきたりといったこともありえるので、注意が必要です。
自身の身の安全を第一に考えて行動することが求められています。そのためにも日頃から、万一の場合はどのようにするべきかを、ご家族で話し合って、考える習慣を身につけたいものですね。