生活リズムはまず質のよい睡眠から。
起床時間が就寝時間を決めるって、知ってた?
春先になると、電車のなかでウトウトとされている方を多く見かけるように思います。暖かくなってきて、ホッと気持ちが緩むのでしょう。こういった季節の変わり目には、生活リズムを整えて、体調を崩さないようにしたいですね。
そのためには、体内時計を整えて、質の高い睡眠を取りたいものです。
睡眠には、メラトニンというホルモンが重要な役割を担っているそうです。メラトニンの分泌は昼間低く、夜に高くなることが分かってきています。
起床時から14時間後にメラトニンの分泌が始まり、その2時間後が最大になると言われています。例えば、朝7時に起床した場合、14時間後は午後9時、プラス2時間で午後11時にメラトニンは最大になります。
体内時計を整えるには、起床時に太陽の光を浴びるといいと言われています。海外旅行のあと、時差ボケ解消に効果的とも聞きますね。
朝、太陽の光を浴びてから14時間~16時間すると体温が下がり始めて、メラトニンの量が増して眠くなるそうです。
つまり、光を浴びた起床時が、体内時計にさからわない就寝時間を決めていると言えるでしょう。
ストレスをコントロールするセロトニン。
バランスのよい食事が要って、知ってた?
季節のリズムや睡眠のリズムなど体内時計を調整するメラトニンですが、このメラトニンの原料となるのが、脳内ホルモンのセロトニンです。
セロトニンには、季節の変わり目の心身の不調を整える働きがあります。
これは「ノルアドレナリン」「ドーパミン」と並ぶ三大神経伝達物質の一つで、精神の安定に大きく影響を与えると言われています。緊張やストレスを感じると、このセロトニンを分泌して、自律神経のバランスを整えようとします。
しかしこのセロトニンは、アミノ酸の一つのトリプトファンという物質から合成されるのですが、トリプトファンは体内では作られず、食べ物から摂取します。トリプトファンは、昼間脳内でセロトニンに、夜になると先に紹介したメラトニンに変化して、睡眠をいざないます。
トリプトファンを含む食品は、自律神経の乱れを繕い、生活リズムが調整される「おいしい食べ物」といえます。
トリプトファンが多く含まれる食品は、豆・納豆、乳製品、牛乳、肉・魚などです。そして、トリプトファンからセロトニンを合成させるには、鶏のレバー、鶏の胸肉やササミ、マグロやカツオの赤身、バナナなどのビタミンB6が必要とされています。また、よく噛んで食べると、セロトニン神経が活発になってセロトニンが増えるとも言われています。
さらに、日光を浴びたり、適度な運動をすることでよりセロトニンが分泌されます。
こうしたことから、季節の変わり目は特に、朝は決まった時間に起きて太陽光を受け、バランスのよい食事をとり、夜9時ごろには好きな読書や音楽を聴くなどリラックスして、11時ごろには就寝を迎える規則正しい生活を心がけるのが望ましいようですね。